無垢の木を

「無垢の木」とは

ムク(無垢)とは、純粋無垢の意味で、「張り物」ではないということです。

 木の素晴らしい力を引き出すならば、十分な自然乾燥をさせた木材をそのままつかうことです。

無垢の木は温かく、呼吸し、湿度の調節をし、優れた断熱材でもあります。ヒノキにおいては、香りも素晴らしく、心も癒してくれます。なかでも適切に自然乾燥された木材は細胞を強制的に変化させていないために、木材自体が生き生きとしています。香りも機械乾燥にはない永続力があります。

 住み心地の良い家の条件とは、まず本物の素材を使うこと。それも、「できるだけそのまま使うこと」。本物とは、自然が作ったもの、つまり自然素材のことです。

 本物の木は、伸びたり縮んだり反ったりします。これも、生きている木の証拠。

張り物などの木材の場合、材料が呼吸をしないので結露発生率もあがり、無垢の木のような耐久性がないので経年すれば劣化も目立つ傾向があります。

無垢の木が反ったり伸縮する自然の動きを、「扱いにくい」「よくない」「加工が難しい」という業者もあります。加工された集成材や合板の場合、卓越した技術なくとも簡単に設置可能なので普及してきました。それらの中には人体に悪影響を与えるものも含まれていることもあったので、シックハウス症候群という言葉も出てきました。

業者が無垢の木を避けるのは、建てた後にクレームがくることを回避することも含まれます。無垢材は、温度や湿度の変化によって伸びたり縮んだりします。施工時にピッタリ合っていても、経年とともに多少の隙間ができることもあります。それを自然の木が持つ味わいと感じるか、許せないものと考えるかは、それぞれのものの見方、感性によるものです。

 高級合板であったとしても、合板の床板はいずれ表面がひび割れたり板がはがれたりすることが長年の経験からわかりました。無垢材なら何十年、何百年経っても表面が剥がれることはありません。結露に関しても同じです。高級であっても合板の場合は、梅雨時にサラッとせずに水っぽくなります。無垢材なら結露もなく、サラサラです。

 伸び縮みする無垢材を使用するか、合板などの建材を使用するか、それぞれの判断基準が大切になってきます。

 

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